Dearest My Lady
瑠璃に促され、紬は央とともにお誕生日席へ。斜め前には母が穏やかな笑顔で腰かけており、紬は説明を求めるように視線を向けた。
「央くんにね、声をかけてもらったの。今夜紬ちゃんにプロポーズするから、成功したらここに一緒に帰るので待っていてほしいって」
母はそのまま隣に目を向け、「ね?いっちゃん」と短く呼びかけた。この場で唯一無表情だった父も、いつも通りのしかめっ面で短く返事を返す。
紬はそのやり取りを静かに見つめながら、ここまで整えられた状況に驚きを隠せなかった。
「プロポーズって……じゃあみんな、今日のこと知ってたの……?」
無意識に指輪に手を添える紬に、母がくすくすと笑う。
「私達にはもうずっと前からお話があったんだよ。紬ちゃんにプロポーズしてもいいですかって。受けてもらえたらお嫁さんにくださいって」
「えっ、なに……え?」
混乱する紬の視線の先で、央の双子の妹たちが身を乗り出してきた。
「紬ちゃんにOKもらえて良かったね~お兄ちゃん。一生独身の危機回避じゃん!」
「ほんとよ。何もかもすっ飛ばしてプロポーズなんて言うから何をトチ狂ったのかと思ったけど……まあ、兄さんのこと少しだけ見直したわ」