Dearest My Lady
その言葉に、場がまた柔らかくほどける。
気づけば、自分以外の全員が、央との結婚をもう当然のように受け入れていた。
紬は呆然とその光景を見つめ、無意識に指先に残る指輪の感触を確かめる。ふいに、耳もとに央の声が落ちてきた。
「言ったでしょ?何もかも揃うまで準備してたって」
小さく息をのむ紬の隣で、互いの母たちは楽しげに笑い合っていた。
「ハルちゃんじゃないですけど、私も本当に嬉しいです。紬ちゃんみたいに優しくてしっかりした子が央のそばにいてくれると思うと、すごく安心で」
「それはこちらこそだよ。紬は気苦労の多い子だけど……央くんのことだけはずっと信頼してるみたいだから。それに──」
母の視線が、紬の首もとへとそっと向けられる。
灯りを受けてきらめくネックレス、その先で指輪とともに大きな宝石が光を返す。まるでふたりを包み込むように、母のまなざしは優しく柔らかかった。
「……すごく大事に想ってくれてるってわかるから。娘には、誰よりも幸せになってほしい。央くんなら、紬を幸せにしてくれるって信じられるの」
母の言葉が胸の奥に染みていく。紬はうまく言葉を返せず、ただ視線を揺らした。