Dearest My Lady
epi.4
「──チャリティーパーティー?」
紬は目を丸くし、膝の上のももをそっと撫でながら声にした。ももはくぅんと甘えるように鼻先を寄せ、紬の太ももにさらに体を預ける。
ソファで肩が触れる距離に座る央は、いつもの穏やかな笑みを浮かべた。
「うん。両親が急に出られなくなってね。父さんはグループ代表で挨拶役の予定だったんだけど、海外案件が長引いて帰れなくなったらしくて。母さんも広告事業のほうでトラブルが発生して対応に追われてて」
「そうなんだ……」
「だから、代わりに俺が行くことになったんだ」
央はそう言って、紬の反応を伺うように目を細める。
「パートナー同伴は必須じゃないんだけど、両親枠で招待されてるからね。“婚約者を伴って参加するのが自然だろう”って話で……紬ちゃんが嫌でなければ、一緒に出席してほしいんだ」
紬は小さくまばたきをした。
(そうだよね……婚約者がいることは、もう公表されてるんだもん)
理屈としては納得できる。けれど、自分が実際に“婚約者として央の隣に立つ”光景を思い浮かべた瞬間、ふいに胸に熱を帯びた。
煌びやかな社交界。大勢の視線。初めて踏み込む場所で、央のパートナーとして並ぶ自分──それらが急に現実味を帯びて、鼓動が早まる。