Dearest My Lady
会場であるホテルの大広間には、柔らかな光が降り注いでいた。煌めくシャンデリアの下、人々の談笑が穏やかな華やぎとして満ちている。
今夜のチャリティーパーティーは、国内外の子どもたちに向けたホスピタリティ教育支援。未来の笑顔を育む奨学基金の創立記念と、寄付の発表が主な目的だ。
その中心に立つ央は、いつもより少しだけ凛々しい表情をしていた。月城グループの代表として、参加できなくなった彼の父の代わりに前線へ立っている。
「月城さん、こんばんは。本日はお招きいただきありがとうございます」
「こちらこそ、お会いできて光栄です」
会釈一つにも丁寧な気品が宿る。紬も央に倣い、微笑みながら会釈を返した。そしてふと、相手の視線が紬へと移る。
「そちらが噂の婚約者の方ですか?」
その瞬間、背筋に緊張が走った。婚約者報道の日以来、一般人である紬の存在は週刊誌やネットの報道とともに独り歩きするものになってしまっている。
「なるほど……確かに、とてもお美しい方ですね」