Dearest My Lady
⿻*⌖.:˚


央のやりたいこと──その稟議が承認されたという知らせは、数日後に届いた。

紬は央から直接その内容を聞き、そして今日、その詳細を知るために本社へ招かれていた。

受付で案内された応接室でひとり待っていると、静かなノック音が室内に響く。紬が立ち上がると、書類の入った薄いファイルを手にした央と、その後ろに続く秘書の男性が姿を見せた。

「お待たせ。わざわざ来てくれてありがとう」

「いえ、こちらこそ」

紬が軽く会釈をすると、央は柔らかな笑みで座るように促す。

「まずは改めて紹介するね。彼がうちの事業部のチームリーダーで、秘書業務も兼任してくれてる石神(いしがみ)。何度か顔は合わせてたと思うけど、名前まではまだだったよね」

紹介に合わせて石神が一歩前に出て、名刺を差し出した。

「改めてよろしくお願いします、天城先生。月城事業部長の補佐を務めております、石神と申します」

「ありがとうございます。あおぞら動物病院の天城です。よろしくお願いいたします」

紬も名刺を差し出す。石神は落ち着いた声で丁寧に頭を下げた。年は三十半ばほどだろう。若さの中に洗練された気配があり、その佇まいに紬も自然と背筋が伸びる。

ひと通りの挨拶が済むと、央は手にしていたファイルを軽く持ち直した。

「じゃあ挨拶も終わったところで、正式にプロジェクトの説明をさせてもらうね」

そう言って資料を広げながら、ふと思い出したように続ける。
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