Dearest My Lady

「ちなみに、紬ちゃんの病院にはすでに話を通してあって“外部協力”って形で入ってもらうことになった。紬ちゃんには医院代表として携わってもらうよう院長から許可をもらってるから、そこは安心してね」

「うん。わかった」

いつもの調子で砕けた返事をしてしまい、紬は慌てて口元に手を添える。その様子に、央はくすりと笑った。

「そんなにかしこまらなくていいよ。ここには俺たちしかいないんだから」

央が言うと、すぐに背後から低い声が飛んだ。

「……俺の存在は無視ですか」

あからさまに眉を寄せる石神に、央は悪びれもせず笑い返す。

「場を和ませようとしただけだよ。ほんと石神ってば頭が固いなあ」

呆れたようにため息をつく石神と、楽しげな央。そのやり取りには長く一緒に過ごしてきた者同士のような信頼が、自然と滲んでいた。

「じゃあ、説明に戻るね」

央はテーブルに資料を置き、穏やかな所作でページを開いた。

「今回企画しているのは、ホテルの未利用スペースを活用した“保護動物ケア・譲渡促進プログラム”。月城グループとしては初の、動物福祉を軸にした社会貢献プロジェクトになる」

石神がタイミングよく資料を差し出し、受け取った資料を開くと、色分けされた図面やコンセプト案が目に飛び込んできた。
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