この恋を執着愛と呼んでしまえば。
二章

誘い

護くんと再会してから一週間が経った頃。

会社を出た瞬間に護くんに呼び止められた。


「想代」


反射的に自分の名前を呼ぶ声に振り向いてしまう。



「ねぇ、想代。今週末、一緒に出かけない?」



突然の提案に頭がついていかないのに、まるで何かの危機を伝えるように心臓のスピードだけが速まっていく。

「急になんで……?」

「ほら、俺ら久しぶりの再会じゃん。もっと話したいなって」

久しぶりに会った男性からこんな提案をされれば、下心があるのかどこか疑ってしまう。
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