この恋を執着愛と呼んでしまえば。
「護くんも残業?」

「そう。でも、もう終わったところ。帰る前に四階の休憩室にある自販機に寄ろうとしたら電気がついていたから」

護くんは本当に帰るところだったようで、手にはカバンが握られている。

「じゃあ、もう帰るんだね。お疲れ様」

「……いや、もうちょっと残ろうかな」

「え?」

すると、護くんが持っていたカバンからノートパソコンを取り出して近くの椅子に腰掛ける。

「どうせ帰ってからも仕事しないといけなかったから、ここでしてく。で、想代が帰る時は送らせて。俺は車だから」

「え……!」

「俺に送られるのは嫌? 何もしないって約束するけど、安心出来なかったら遠慮なく断って」

「そうじゃなくて! 私のことは気にせず帰れば良いよ!」

「ちょっと別でする仕事があるんだ。毎日帰ってからしてる」

その時の護くんは何かを誤魔化すように少しだけ笑った。
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