この恋を執着愛と呼んでしまえば。
私は護くんの腕を振り解くことも出来なくて……ううん、きっと違う。

私は振り解こうとしなかった。

それくらいには護くんに気を許していた。

まだ出会って一ヶ月ほど。

それでも小学校の時の記憶に、護くんの優しい気遣いに、人柄に……少しずつ惹かれ始めていたのかもしれない。

護くんの苦しそうな嗚咽を聞いていると私まで泣きそうになってしまう。

「護くん、本当にどうしたの? 何があったの?」

私が問いかけても、護くんは私を抱きしめ続けるだけで何も言わない。

「本当にどうしたの……?」

暫くして、護くんがやっと口を開こうした……けれど、何を思ったのかまた口を(つぐ)んだ。

そして、次に護くんが言葉を(つむ)ぐ前にオフィスに別の声が響いた。






「想代」






前とは少しだけ違う。

やっと三人が本音を見せ始めて、想いが交差する。
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