この恋を執着愛と呼んでしまえば。

三人の交差する想い

初めてちゃんと本間社長と護くんの顔を見たかもしれない、そんな感覚にすら(おちい)る。

きっと私と護くんのやり取りを聞いていたのかもしれない。

本間社長は苦しそうな表情を浮かべながら、まるでもう限界が来たことを察するようにどこか諦めたような表情をしていた。

そんな苦しそうな表情を浮かべたまま、本間社長は今まで私が聞いたこともないような厳しい声で護くんに「もう良いよ」と声をかけた。



「護ももう限界だろ。俺は使えない(こま)は要らない」



今まで見たことがない本間社長の表情と言葉遣いに驚いてしまう。

護くんも本間社長が私の前でそんな態度を取ったことに驚いているようだった。
< 43 / 57 >

この作品をシェア

pagetop