この恋を執着愛と呼んでしまえば。
「想代がここにいるけど……?」

「もう良いんだ。護も隠すのが限界みたいだし、役に立たない駒を雇った俺のミスだろうな。まぁこれまでの功績は認めるから、企業提携はそのままにするよ。何より護の会社の技術を評価しているのも事実だから」

私はこの状況が全く理解出来なかった。

それでも、この二人が私に隠れて何かをやりとりしていたことだけは分かって。

護くんが本間社長を(にら)みつけている所を見ると、護くんが怒っていることだけは確かだった。

それを本間社長はただただ平然とした表情で受け入れている。

先ほどまでの苦しそうな表情はいつの間にかもう消えていて……でも、強がっているようにも見えて。

もうこの二人の関係を見ないふりは出来なかった。



「本間社長、護くん。ちゃんと説明して」



私がはっきりそう言い放っても護くんは口を開かなくて……その状況を把握した本間社長が代わりに説明を進めていく。
< 44 / 57 >

この作品をシェア

pagetop