妖精渉る夕星に〜真摯な愛を秘めた外科医は、再会した絵本作家を逃さない〜
中からシャワーの音が聞こえてくると、彼の何も身につけていない姿を想像してハッと我に返る。
私ったら何を考えているのかしら⁉︎ ──熱くなった頬を押さえながら、慌ててリビングに戻った。
するとダイニングテーブルに、水やお茶、ソフトドリンクのペットボトルがいくつも置かれているのを見つけ、その中から水のペットボトルを手に取った。
水を飲みながら部屋の中を見回すと、テレビを囲うように置かれた大容量の本棚が目に留まった。本が好きなことは昔から知っているし、好きな本について話したこともある。しかしそれはほんの一部の話で、彼が今までどんな本を読んできたのか気になった花梨は、本棚の方へ歩いていく。
遠目でもわかるようなハードカバーの本もあれば、文庫本もたくさん並び、花梨はわくわくしながら背表紙を目で追っていく。
あっ、これ知ってる、私も読んだ。でもこの本は知らない──その時、絵本が並ぶコーナーを見つけた。そこにはたくさんの絵本が並び、花梨が書いた作品も一緒に並んでいた。しかも驚いたことに花梨が書いた絵本だけは二冊ずつ並び、片方は袋に入ったままだった。
嬉しくなって思わず自分の絵本を手に取った花梨は、本を開いて思わず目を見開いた。そこに置かれていた絵本は全て初版で、今では入手困難なものばかりだったのだ。
しかし初版本ということは、花梨が絵本作家としてデビューした時にはすでに知っていたことになる。
ただそう考えると、時系列的におかしくなっていく。及川先生と北斗が再会したのは一年前のこと。そこで花梨のことを聞いたと言っていた。
どういうことだろう……彼は私に嘘をついたの? ──疑問点が浮かび、眉間に皺がより始めた時、三冊目に出版してもらった絵本が他のものより少し厚みがあることに気付いた。
不思議に思いながらその絵本を開いた花梨は、中に挟まっていたものを見た途端、大きく目を見開いた。
ベージュ地に可愛いテディベアが印刷されたレターセットは、毎月必ずファンレターを送ってくれるテディさんが使っているものと同じだったのだ。
そうなると、今目の前にある事実がパズルのピースのように繋がっていく。
初版本とレターセット。花梨がデビューした時から知っていて、花梨を応援し、励ますようにファンレターを送り続けたのは北斗ということになる。
私ったら何を考えているのかしら⁉︎ ──熱くなった頬を押さえながら、慌ててリビングに戻った。
するとダイニングテーブルに、水やお茶、ソフトドリンクのペットボトルがいくつも置かれているのを見つけ、その中から水のペットボトルを手に取った。
水を飲みながら部屋の中を見回すと、テレビを囲うように置かれた大容量の本棚が目に留まった。本が好きなことは昔から知っているし、好きな本について話したこともある。しかしそれはほんの一部の話で、彼が今までどんな本を読んできたのか気になった花梨は、本棚の方へ歩いていく。
遠目でもわかるようなハードカバーの本もあれば、文庫本もたくさん並び、花梨はわくわくしながら背表紙を目で追っていく。
あっ、これ知ってる、私も読んだ。でもこの本は知らない──その時、絵本が並ぶコーナーを見つけた。そこにはたくさんの絵本が並び、花梨が書いた作品も一緒に並んでいた。しかも驚いたことに花梨が書いた絵本だけは二冊ずつ並び、片方は袋に入ったままだった。
嬉しくなって思わず自分の絵本を手に取った花梨は、本を開いて思わず目を見開いた。そこに置かれていた絵本は全て初版で、今では入手困難なものばかりだったのだ。
しかし初版本ということは、花梨が絵本作家としてデビューした時にはすでに知っていたことになる。
ただそう考えると、時系列的におかしくなっていく。及川先生と北斗が再会したのは一年前のこと。そこで花梨のことを聞いたと言っていた。
どういうことだろう……彼は私に嘘をついたの? ──疑問点が浮かび、眉間に皺がより始めた時、三冊目に出版してもらった絵本が他のものより少し厚みがあることに気付いた。
不思議に思いながらその絵本を開いた花梨は、中に挟まっていたものを見た途端、大きく目を見開いた。
ベージュ地に可愛いテディベアが印刷されたレターセットは、毎月必ずファンレターを送ってくれるテディさんが使っているものと同じだったのだ。
そうなると、今目の前にある事実がパズルのピースのように繋がっていく。
初版本とレターセット。花梨がデビューした時から知っていて、花梨を応援し、励ますようにファンレターを送り続けたのは北斗ということになる。