あなたの1番になりたい。
ネイビーのブレザーに身を包んだ私たちの輪の中へ、グレーのブレザーを着た伊吹さんが合流した。
久しぶりに見る制服姿に、内心で小さくガッツポーズをする。
彼女と一緒に帰る選択をして、本当に良かった
——そう思った。
伊吹さんのグループには、正直言って少しガラの悪い人も多く、制服を乱雑に着崩しているタイプも珍しくない。
けれど、意外にもこの二人は違った。
シャツの襟も、ネクタイも、きちんと整えられていて、だらしなさは微塵もない。
もちろん、根が真面目な私やあの子が着崩すはずもなくて。
四人並んで歩く姿は、どこかちぐはぐなのに、妙に整って見えた。
「愛の行きたいところでいいよ」
「えー、悠真っていつもそう言って、決めるの私任せだよね~」
「……」
「……」
伊吹さんとあの子が並んで歩き、その少し後ろを、私と結城先輩がついて行く。
ただそれだけの構図なのに、どうしようもなく居心地が悪い。
どうして好きな人と、その恋人の会話を聞きながら歩かなければならないのだろう。
斜め前を歩く伊吹さんの背中を、指を咥えるような気持ちで見つめるしかない。
誰にも気づかれないよう、小さく息を吐いた。
前を行く二人が自然に言葉を交わすのとは対照的に、
後ろを歩く私と結城先輩の間には、沈黙だけが流れている。
伊吹さんが合流したなら、
私……別に、いらなくない?
そんな考えが頭をよぎった、ちょうどそのとき。
目的地である拠点のビルが、目の前に現れた。