御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~

「ありがとう。そんな風に思ってくれるほど、私を長い間見つめてくれていたんだね」

 ずっと伝えたかった感謝を口にすると、瞳が潤んで声が震える。

 揺れる視界の中で、黎也くんが愛おしそうな目をして微笑んだ。

「はい。俺の目は、美冬さんしか映しませんから」
「絶対に嘘。って、少し前までの私なら思ってた。でも、今は……」

 素直になりたいのに、緊張して言葉が詰まってしまう。そんな私を助けるように、黎也くんがそっと頬に手を添えて瞳を覗き込む。

「信じてくれますか? 俺を」

 すぐに返事ができないのは黎也くんのせいではなくて、私が過去の痛みをいつまでも引きずっているからだ。

 でも、黎也くんは直樹ではない。前に進みたいのなら、ここを乗り越えなくちゃ。

「あなたを信じて、もう一度恋がしたい。二度となくなることのない、本物の恋がしたいの」
「美冬さん……」

 熱く掠れた声が大切そうに私を呼んで、お互いの視線が絡む。

「それなら俺があげます。一生ものの、絶対なくならない恋」
「……本当に? そんなもの、あるかな?」
「あります。俺が、証明してみせる」

 見つめ合ううちに切なそうな表情になった彼は、私の頬を両手で包み込むと、強く引き寄せて唇を合わせた。

 彼の手のひらも、そして唇も、触れ合った部分が溶けてしまいそうなほど熱い。

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