御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~

「好きです、美冬さん」

 キスの合間に聞かされたストレートな告白に、胸が撃ち抜かれる。誰かに愛されるのはこんなに幸せなことだったかと、心を激しく揺さぶられながら思う。

 私も、と告げる代わりに軽く唇を合わせると、そんな触れ方では足りないと言わんばかりに、彼の唇がかぶさってくる。

「ん、ふぅ……んっ」

 抑えようとしているのに、甘い声が漏れてしまう。彼は繰り返し角度を変えて私の唇を食んだり吸ったりしては、熱い吐息をこぼした。

「ずっとこうしていたいけど、もう、折り返しですね……」

 息継ぎのタイミングで、ちらりと窓の方を一瞥した彼が言う。

 私たちを乗せたゴンドラが観覧車の一番高い位置を過ぎ、地上を目指し始めたという意味だろう。彼の声は少し残念そうだった。

「また、デートすればいいよ」

 そう言って彼の頬を撫でる。黎也くんは甘い微笑みを浮かべて頬に触れチエル私の手を取ると、指先にチュッと口づけした。

「今度は、うちに来てくれますか? 美冬さんが興味津々だったタワマン」
「……うん。行きたい」
「その時はキスじゃ済みませんよ?」

 顔を寄せ合ったまま、彼が囁く。暗いゴンドラの中できらめく彼の瞳には、隠し切れない欲情が滲んでいた。

 年下とは思えない艶かしさに、体の奥がジンと疼く。

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