御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「すみません、部屋の前まで送るべきでした」
『ううん、黎也くんのせいじゃないよ。社長に呼び出されて急いでいたし。そうだ、そっちの話はなんだったの? こうして私に連絡してきたってことは、もしかして……』
「はい。詳しくは迎えに行ってから話しますが、峰田が関わる話です」
「やっぱり……。どうしよう、私のせいだよね」
美冬さんの声が、泣き出しそうに震えている。
彼女の性格なら気にしてしまうのはわかっていた。俺や父に迷惑をかけるくらいなら、関係を断とうと言い出すかもしれない。
しかし、こんな時にこそ彼女を支え励ますのが、俺の役目だ。
「俺が迎えに行ったら逃げている――とか、やめてくださいね?」
『えっ? ……あの、どうして私の考えてることが……』
美冬さんがわかりやすく慌てている。俺はクスッと笑った。
「だてに美冬さんだけを見つめてないってことです。俺は一途だって、ずっと言い続けてるでしょう? 考えていることは大体お見通しです」
『で、でも。逃げるかどうかはともかく、あなたとこれ以上親しい関係でいるわけには……』
後ろ向きな彼女の発言に、少々ムッとする。
峰田に傷つけられた経験から色々と臆病になっているのは仕方がないと思う。しかし、だからといって俺の気持ちを無視するのはそろそろやめてほしい。