御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「黎也くん……びっくりさせないでよね」
「お、この人シューズショップのことまで褒めてくれてるじゃないですか」
「そう! そうなの! 前にここで、他の候補店と悩んでいる時に黎也くんから助言をもらったよね。あの時の仕事が今に繋がってるんだと思うと、なんだかうれしくなっちゃう」
ふっと笑ってまた画面に視線を戻したものの、頬の辺りに黎也君の熱い視線を感じたのでもう一度彼の方を見る。
黎也くんは画面ではなく、私の顔を眺めてニコニコしていた。
「……えっと、なに?」
「相変わらずかわいい美冬さんと、早く一緒に帰りたいなって」
「あ、そっか。食事の約束してたよね、ごめん」
慌てて席を立ち、帰り支度を始める。仕事自体は終わっていたのに、口コミを見始めたら止まらなくなってしまってパソコンを閉じられなかっただけなのだ。
会社の駐車場から黎也くんの車に乗り、夜の街をドライブする。
「レストランに行く前に、一カ所寄り道してもいいですか?」
「寄り道? なにか買い物?」
「いえ。ちょっと、職権乱用で秘密の場所へ」
なんだか妖しげな響きにどきりとする。
しかし、それ以上は聞いても教えてくれそうになかったので、目的地に到着するまで助手席で大人しく座っていた。