御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~

「芦屋。来週の木曜、午後三時に才賀先生が会ってくれる。場所は彼の事務所だ」

 谷村さんにそう報告を受けたのは、翌日夕方のこと。

 私は才賀先生がデザインした服や雑貨の資料をありったけ集めて、その特徴を頭に叩き込んでいる最中だった。

「さっそくアポが取れたんですか。すごい、どうやってアプローチしたんですか?」
「私はなにもしていない。副社長からそう連絡があっただけだ」
「副社長……昨日の会議にも熱が入ってましたもんね」

 プライベートではつかみどころのない彼だが、仕事となるとその敏腕ぶりを遺憾なく発揮する。才賀先生のブランドの誘致についても、谷村さんと副社長が後ろに控えてくれていると思うだけで、かなり心強い。

「それにしても、よくそんなに資料を集めたな。彼の若い頃のデザインなんて初めて見た」

 私のデスクに積み上がった書類の中から一枚手に取り、谷村さんが感心したように言う。

 調べたところによると、今はトレンドに会わせて柔軟に服をデザインする才賀先生も、若い頃は少しこだわりが強かったらしい。

 自然との調和をテーマにした服を多くデザインしており、アースカラーと呼ばれるナチュラルな色しか使わないという徹底ぶりだったそう。

 今でも自然に造詣が深く、本職の他に環境活動にも積極的なのだとか。

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