御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
私が寝ていたのは十人くらい座れそうな巨大なソファで、寝ぼけた頭で何とか状況を理解しようとする。
『ここは……?』
『僕の家です』
私の呟きに反応したように、声の主が隣に腰かける。
ゆったりとしたルームウエア姿にさえセレブな雰囲気を纏う、御門副社長だった。
彼の家ということは、先日公園から眺めたあのタワーマンション……?
『私、どうしてここに来たんでしたっけ?』
『ひどいなぁ。これから同じプロジェクトを進めていく同志として親交を深めようと、芦屋さんから言い出したんじゃないですか』
『そうでしたっけ?』
頭の中を疑問符だらけにしていると、突然副社長の手がぐいっと私の肩を抱き寄せる。
ドキッとして彼を見ると、小悪魔的な笑みを浮かべた彼が、顔を近づけてくる。
『ではさっそく、親交を深めましょうか』
妖しげな囁きと共に色っぽく目を細めた彼に見つめられ、その場の雰囲気に流されてしまいそうになる。
しかし、甘い言葉には落とし穴があるというのが世の常だ。こんなふうに迫ってくるのは、才賀先生のプロジェクトを円滑に進めるための、副社長の策略なのではないだろうか。
私を夢中にさせて、言いなりにさせて。プロジェクトの成功が叶えば用済みとばかりに、ポイッと捨てる。
彼はそういうつもりに違いない。