御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「五月二日生まれ、おうし座のO型です。よくBっぽいねとも言われますけど」
「はぁ」
「身長一八二センチ、体重七五キロ、好きな食べ物はパスタ全般、嫌いな食べ物はゴーヤです」
「そうですか」
高級感漂う黒のスポーツセダンの助手席で、私は延々と副社長のプロフィールを聞かされていた。
沈黙を作らないために、副社長なりに気を遣っているのだろうか。だとしたら申し訳ないけれど、気の利いた返しが思いつかない。
「あと、女性を好きになったら一途ですよ」
話半分で聞きながら窓の外を眺めていたら、唐突にそんな情報を交えてきてどきりとする。しかし、あえて一途だとアピールするところが怪しさ満点だ。
「それは素晴らしい心がけですね……」
心にもないことを言っている自覚があったし、たぶん顔や声色にも出ていた。副社長も私の心境を察したのか、不満そうに顔をしかめる。
「あ、信じてませんね?」
「だって、いかにも浮気する人が言いそうなセリフなんですもん」
「されたんですか? 浮気」
「いや、されたのは浮気じゃなくて――」
つい、その先まで話しそうになってハッとする。危うく誘導尋問に乗るところだった。