御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「私も似たようなことを考えていました。結構ひどいことおっしゃってましたよね? 個人的には、特にプチプラのくだりがグサッときました」
冗談のつもりで自嘲すると、副社長が真面目な顔で私を見る。
「そういえば、あの発言には僕も少し思うところがあるんですけど……」
「思うところ、ですか?」
「はい。芦屋さんはなにを着ても魅力的ですから、プチプラだろうとなんだろうと僕は一向に気になりませんが……先日、ご自宅まで車で送った時に見たあのアパートと合わせて考えると、お節介ながら芦屋さんの経済事情がとても気になってしまって」
前半部分はお世辞だろうから聞き流すとして、アパートの件まで突っ込まれてぎくりとする。そういえば、彼には自宅を見られたんだった……。
「会社を庇うわけではありませんが、御門ホテルの給与であればもう少しいい場所に住めるはず。なのに芦屋さんがそうしないのは、なにか事情がおありなんじゃないですか? もしかして、重いご病気のご家族がいるとか?」
副社長は私を心から心配してくれているのだろう。キラキラした瞳で私の顔を覗き込んでくる。
でも、本当のことなんか言えるわけがない。