御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「い、いえ。そんな深い事情はまったくないです。ただ、節約することが趣味なだけで」
「本当に?」
「もちろんです。そのぶん貯金して、口座残高が増えるのを見て喜びを感じてます!」
実際の口座残高は減る一方だし、引き落としがあるたびに冷や冷やしているだなん口が裂けてもて言えない……。
「そういうことなら安心です。ちなみに節約がお好きなら、もらい物とかも迷惑に思ったりしないタイプですか?」
「そうですね。街中でティッシュを配っていたら遠慮なくもらいますし、食べ物のおすそ分けなんかも、ありがたくいただいちゃいます」
我ながらなんて庶民派。副社長の前では言わないけれど、無料サービスという言葉も大好きだ。
「じゃあ、僕から芦屋さんに色々なものを差し上げたとしても、もらってくれますね?」
差し上げるって……なにを?
「……例えばどんなものでしょう?」
怪訝な目をして彼の方を向くと、お得意の黎也スマイルを向けられる。
「そうですね。例えば、才賀先生を唸らせるようなブランドのスーツや靴、バッグ、アクセサリー、それと……」
「ちょ、ちょっと待ってください! いったいなにを言ってるんですか?」
服やバッグなんて、私が話していた〝もらいもの〟の範疇ではない。そんな品々はむしろ、特別な日に贈るプレゼントではないか。