御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~

 帰国した時、もしも芦屋さんがすでに誰かと結婚していたなら、この恋は成仏させなければならない。

 しかしまだ独身であったなら……もう、なにも遠慮しない。

 年下だとか、御門の御曹司だとかそんなことは関係なく、ただひとりの男として芦屋さんを手に入れ、この手に抱きしめたい。

 二年の間離れていても決して色あせることのなかったその大きすぎる恋情を抱え、俺は日本へ戻ったのだった。


「いいんじゃないですか? とても似合ってます」

 試着室から出てきた最愛の人を見て、俺は笑みを深めた。

 今日は約束していたショッピングの日。午後イチで彼女を迎えに行き、向かったのは表参道。ビジネスファッションのアイテムが揃う海外発ブランドの路面店に芦屋さんを連れてきた。

 身に着けているのは、エレガントなブルーのベルト付きのワンピースに、スマートな紺色のジャケット。才賀先生の事務所を再び訪れる時のための、戦闘服を選びに来たのだ。

 しかし、高級店らしい店構えやそれにふさわしい上質な接客、実際の服の値段などに芦屋さんは完全に気後れしてしまっていて、まったく真剣に服を選んでくれない。

 それで俺が彼女の全身を俺がコーディネートすることになり、実際に試着してもらったところだ。

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