御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
『その服を選んだのは僕だって、ちゃんと伝えましたか?』
「す、すみません。言い出せる雰囲気ではなくて」
あの時は仕方ないと思ったけれど、やっぱり嘘をついたのはよくなかったよね……。
彼が怒るのも無理はないと、反省の念に駆られる。
すると、耳元で社長のため息が聞こえた。
『……いえ、ごめんなさい。芦屋さんが正しいです』
「えっ?」
どうして副社長が謝るの?
『堂々と芦屋さんの恋人だと名乗れる身分でもないのに、勝手に嫉妬したうえ自分がプレゼントしたものを恩着せがましくアピールしたところで、カッコ悪いだけですよね。さっきの、忘れてください』
嫉妬したかと思えば、ひとりで納得して落ち込んでいる。
芦屋さんの恋人だと名乗れる身分でもないのに――という部分にはドキッとしたが、反応に困るので流してしまうしかない。
「あの、もうすぐ会社に着くので……」
本当はあと二十分くらいかかりそうだったが、あからさまに仕事とは関係のない方向へ話題が傾いていたので、通話を終えたいアピールをする。