御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「……そう、だったんですね。谷村さん、どうしてちゃんと説明してくれなかったんだろう」
美冬さんの口調は、まだ少しぎこちない。いくら偽装婚約者だからって、いきなり下着姿を見られたショックはそう簡単に薄れないよな……。
反省を深める一方、谷村さんについての発言が少し気になる。
「ちなみに、説明っていうのは?」
「御門ホテルに自分のブランドを出店する記念に、才賀先生は店頭の特別なディスプレイとして一着の服を作ろうとしてたんです。御門ホテルのロゴやイメージカラー、それと、熱心に営業をかけてくれたリーシング担当……私からも着想を得たいと言ってくれて。それで、どうせならサイズも私の体に合ったものにしようと決まったんです。今日はお昼までその打ち合わせで才賀先生の事務所に呼ばれているって、谷村さんも知っていたはずなんですけど」
つまり、御門ホテルと美冬さんの両方をイメージした服ということか。才賀先生の前であんな風に敵対心を露わにしておいてなんだが、いいアイデアだと感心する。
そして、谷村さんが黙っていた理由……それについては、なんとなく見当がつく。
あの人は数年前も一瞬で俺の気持ちを見抜いていたから、今でも俺が彼女を想っていることに気付いていただろう。
その上で、俺と美冬さんの仲を応援してくれているのではないだろうか。もしくは、俺をけしかけているのかもしれない。
彼女にアプローチするなら今だぞ、と。