御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「先生の言っていた〝俺のミューズ〟ってそういう意味だったのか……」
盛大な勘違いをしていたと気づき、肩の力が抜ける。というか、〝俺の〟という言葉に固執しすぎて、〝ミューズ〟の方はあまり深く考えていなかった。
「一般的にはブランドの広告に起用されるモデルさんなんかに使われることが多い言葉ですけど、クリエイターのインスピレーションを刺激する、そんな存在の女性にも使うみたいですね。才賀先生もそっちの意味で使ったのではないかと」
「なるほど。じゃあ、次の質問いいですか?」
「はい」
採寸の謎が解けてスッキリしたところで、俺としてはそれ以上に気になっていた一件を聞いてみることにする。
これが彼女の『答えられる範囲』に該当しているかどうかは微妙だが……。
「才賀先生が、美冬さんにフラれたって言っていたのどういうことですか?」
「……やっぱり、そこツッコみます?」
美冬さんが、はぁ、とため息をつく。どうやら聞かれたくなかったようだが、あれを聞き流すのはさすがに無理がある。
「あれは……先生の言葉通りです」
「つまり、才賀先生に告白されて、美冬さんはそれを断った」
「はい。告白っていっても、『芦屋さん今彼氏いる? いないなら俺なんてどーお?』っていう、至極軽い感じでしたけど」