御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「美冬さん、それって」
「以上です。質問の受付は終了しました!」
「終了されたら、俺の都合のいい方に解釈するけどそれでもいいんですか?」
「す、好きにしてください」
質問は終了、と言ったのに、答えてくれた。ツンとした態度は、美冬さんなりの照れ隠しだろう。
溢れる感情の行き場がなくて、はぁ……と熱のこもった息を吐く。
「ちょっと待ってください。……うれしすぎて事故りそうです」
「ダメですよ、二十日はデートするんでしょう?」
助手席から俺を窘める美冬さんの声に、ますます胸を掴まれてしまう。
前にクリスマスデートの話を持ち掛けた時は嫌そうにしていたのに……。
「どうして今日はそんなに素直でかわいいんですか? 心境の変化でもありました?」
黙っていた方がカッコイイのかもしれないが、聞かずにはいられなかった。
余裕がないのは、美冬さんの前だから。あなたのことが好きだから許してくださいと、声に出さずに思う。
「黎也くんが……あんなに、血相を変えて飛び込んできたから」
「えっ?」
俺の名前を、演技以外で美冬さんが自発的に口にしたのは初めてではないだろうか。
これまで頑なに閉ざしていた心を、彼女が懸命に開こうとしているのを感じる。