空の植木鉢
1年後。
私はまた植物を買った。
以前とは違う種類の、小ぶりなもの。
今度はちゃんと下調べをして、
ひとりでも育てられるものを選んだ。
水やりを忘れることは、もうなかった。
平日の朝、鼻歌まじりに水をあげるのが楽しくて、
休日の昼、窓際で一緒に日光を浴びるのが気持ちよかった。
夜、眠る前に「おやすみ」と声をかけるのがうれしかった。
ようやく、自分だけの穏やかな時間を手に入れた。
――でも、ある日突然、その明日は終わった。
植物が枯れてしまった。
水も肥料も、きちんと与えていた。
日当たりも風通しも悪くなかった。
理由が分からず、私は購入した店に行った。
仕事を早退して、夕方の店内で店員に尋ねた。
「……というわけなんです。なんで枯れちゃったんでしょうか。」
「なるほど。丁寧に育てていらっしゃったんですね。」
「はい。1年以上大事にしてたんです。でも、急に……。」
「そうですね、急に枯れるとしたら、病気の可能性があります。
虫やカビが原因で、栄養が足りないタイミングで弱ってしまうことがあるんです。」
「……病気、ですか。」
「ええ。あなたが悪いわけじゃありませんよ。」
店員はやさしくそう言った。
私はうなずき、店を出た。
新しい植物をすすめられたけれど、買う気にはなれなかった。
私はまた植物を買った。
以前とは違う種類の、小ぶりなもの。
今度はちゃんと下調べをして、
ひとりでも育てられるものを選んだ。
水やりを忘れることは、もうなかった。
平日の朝、鼻歌まじりに水をあげるのが楽しくて、
休日の昼、窓際で一緒に日光を浴びるのが気持ちよかった。
夜、眠る前に「おやすみ」と声をかけるのがうれしかった。
ようやく、自分だけの穏やかな時間を手に入れた。
――でも、ある日突然、その明日は終わった。
植物が枯れてしまった。
水も肥料も、きちんと与えていた。
日当たりも風通しも悪くなかった。
理由が分からず、私は購入した店に行った。
仕事を早退して、夕方の店内で店員に尋ねた。
「……というわけなんです。なんで枯れちゃったんでしょうか。」
「なるほど。丁寧に育てていらっしゃったんですね。」
「はい。1年以上大事にしてたんです。でも、急に……。」
「そうですね、急に枯れるとしたら、病気の可能性があります。
虫やカビが原因で、栄養が足りないタイミングで弱ってしまうことがあるんです。」
「……病気、ですか。」
「ええ。あなたが悪いわけじゃありませんよ。」
店員はやさしくそう言った。
私はうなずき、店を出た。
新しい植物をすすめられたけれど、買う気にはなれなかった。