(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「どうぞ座って」


促されるまま向かい側の席に腰を下ろす。


「ねえ、どうしてあなたは愁くんに愛されるの? 愁くんはいつだって自分のペースを貫いて誰にも振り回されたりしなかった。あんなに優しい目で女性を見るなんて、一度もなかったのに」


唐突に堰を切ったように辺見さんが言い募る。

テーブルに身を乗り出すように訴える姿は鬼気迫っていて、ほんの少し腰が引ける。


「恋人と別れた直後、両親に強く言われて愁くんと結婚しようって一度は決めたの。自慢の大好きな幼馴染みだったし、いい関係を築けると思ったけど、恋人にはなれなかった」


訥々と語る声は段々小さくなって、華奢な肩が震え出す。

その姿に抱いていた警戒心や恐怖心が和らいでいく。


「……辺見さんは、愁さんを好きなんですか……?」


これまで心の奥底で引っかかっていたことを恐る恐る尋ねる。

婚約者のいる女性に向ける質問ではないと理解しているけれど、尋ねなければ話が進まない気がした。


「好きよ」


迷いのない返事に心が氷塊をのみ込んだかのように一気に冷えていく。


「でもあくまでも友人としてよ、お互いに恋愛感情じゃないの……ただ納得できないだけ」


目の縁を赤くして話す姿は嘘をついているようには見えない。

話の意味、内容がよくわからず、困惑する。
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