(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「私は以前の恋人にも幼なじみの愁くんにさえも選ばれなかった。やっと出会えたあの人にも求めてもらえない。なんで振り向いてもらえないの? どうすればいいの?」


「辺見さん、あの人ってどなたですか?」


「立花さんよ。生まれて初めて恋をして両親に懇願してやっと婚約できたのに、私を好きじゃないの。私はいつだって、誰かの一番になれない。あなたはあの愁くんに愛されて愁くんもあなたに想われている。どうして? 私にはなにが足りなかったの?」


感情が高ぶったのか涙を流しながら訴える彼女の姿にやっと合点がいった。


「愁くんは、誰にも深く興味を持たない人だったから。だから私のせいじゃないって思っていたのに……」


恐らく、私にきつくあたった一番の原因はそこだったのだろう。

辺見さんは愁さんのそばにいる私を疎んでいたわけじゃなかった。

愁さんとの婚約破棄後、ようやく好きな人に出会えて幸せな未来を思い描いていたのに想い合えない。

けれど元婚約者の愁さんの隣には私がいて仲睦まじい様子にショックを受けた。

原因は自分じゃないと言い聞かせていたのに、一気に崩れ落ちてしまった。

自分はこの先誰からも愛されない、求められない存在なのではと怯えて混乱している。

複雑すぎる想いと、ある意味自分勝手な考えに、こんな恋の悩みがあるのかと戸惑うけれど苦しみはなんとなくわかる気がした。

だって愁さんに出会う前の私も同じような疑問を抱いて怖くなっていたから。
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