(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「辺見さんは好きな人に本心でぶつかりましたか?」


深呼吸をひとつして、静かに問いかけた。


「私は愁さんに出会う前に片想いの相手に失恋しました。ずっと見てるだけしかできない臆病で独りよがりな恋でした。それから愁さんに惹かれた後、辺見さんに会って再び失恋を覚悟しました。そのとき、どうして私の恋はいつも叶わないのかと思いました」


怪訝な表情を浮かべていた辺見さんの目が大きく見開かれる。


「私は今まで傷つくのが怖くて本心を伝えず逃げてばかりでした。でもそんな面倒な私を愁さんは丸ごと受け止めて、真っすぐ気持ちをぶつけてくれました。彼は私に大切な人と真剣に向き合う意味を教えてくれたんです」


頭の中に思い浮かぶのは大好きな人の笑顔だった。


「愁さんに出会って私は本当の恋を知りました。この先、どんなに傷ついて泣いてつらくても彼のそばにいたいし、この選択を後悔しません。彼への想いだけはどうしても譲れません。ふたりで支え合って生きていきたいと心から願っています」


みっともなくて情けなくて怖くても、心から想う人に本心をさらけ出すのはとても大切だ。

気持ちは言葉にしなければ、伝わらない。

恋は綺麗なだけではないし、自分の思い通りにもならない。

当たり前に知っているようでわかっていなかった現実を愁さんは私に教えてくれた。
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