(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
愁さんへの想いに迷いはないし、私の返事なんてもうひとつしかない。

ただ今は予想外の出来事、展開の連続に戸惑って、なにをどう返事すればいいのか混乱している。


「沙和を誰よりも愛してる……お願いだからうなずいて」


私の反応に不安を覚えたのか、彼がほんの少し眉尻を下げた。


ああ、違う。


こんな表情をさせたいわけじゃないの。


ただ大きすぎる恋心と幸せに胸を占拠されてうまく伝えられないだけ。


返事より先にこぼれ落ちた涙が頬を伝い、大好きな人が滲んでうまく見えない。


「……私もあなたを愛してる……どうか、よろしくお願いします……」


わき上がる想いに励まされるように、震える唇を動かして答える。

私の知っている言葉ではうまく言い表せないこの気持ちすべてはどうすれば愁さんに伝えられるだろう。

“愛している”以上の告白ができればいいのに。

ふわりと相好を崩した愁さんが、私の両頬に大きな手を添えて掬い上げる。


「ありがとう。一生、大切にするから」


そう言って、長いまつ毛を伏せた彼の唇が私のものに重なった。

ふたりだけの誓いのキスは涙と幸せの味がした。
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