(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「皆、板谷社長狙いですかね」
午後三時を少し過ぎた頃、板谷社長の来社を少し前に知った二歳下の後輩、日高由真ちゃんが周囲の女性社員の浮き立った様子にポツリと口にする。
彼女と私の席は隣同士だ。
「由真ちゃんは興味ないの?」
「玉の輿は夢ですけど、恋人が一番好きなので」
迷いなく言い切る姿が眩しくて少し羨ましい。
「そもそも板谷社長って、婚約者がいませんでしたっけ?」
なにかを思い出すような表情の由真ちゃんに視線を向ける。
パソコンのキーボードを操作する指が自然と止まる。
「確か破談になったはずですが。一時期騒がれていたの、知りません? ……業務上関係のある方なので調べても違反にならないですよね」
独り言のように言って、由真ちゃんはパソコンで検索し、ネットニュースの画面を見せてくれた。
『板谷社長、婚約解消』
五年前に板谷社長と辺見家の令嬢がお互いの同意で婚約を解消した旨が記事には記載されていたが理由や経緯などは書かれていなかった。
彼の過去を詮索するような行為に、小さな罪悪感を覚える。
同時に、ヨガ教室での頼子さんの言葉が脳裏に蘇る。
『違う違う。愁の評判なんて心配していない。五年前に十分騒がれたんだし、もういい大人なんだから。私が心配しているのは沙和ちゃんよ』
午後三時を少し過ぎた頃、板谷社長の来社を少し前に知った二歳下の後輩、日高由真ちゃんが周囲の女性社員の浮き立った様子にポツリと口にする。
彼女と私の席は隣同士だ。
「由真ちゃんは興味ないの?」
「玉の輿は夢ですけど、恋人が一番好きなので」
迷いなく言い切る姿が眩しくて少し羨ましい。
「そもそも板谷社長って、婚約者がいませんでしたっけ?」
なにかを思い出すような表情の由真ちゃんに視線を向ける。
パソコンのキーボードを操作する指が自然と止まる。
「確か破談になったはずですが。一時期騒がれていたの、知りません? ……業務上関係のある方なので調べても違反にならないですよね」
独り言のように言って、由真ちゃんはパソコンで検索し、ネットニュースの画面を見せてくれた。
『板谷社長、婚約解消』
五年前に板谷社長と辺見家の令嬢がお互いの同意で婚約を解消した旨が記事には記載されていたが理由や経緯などは書かれていなかった。
彼の過去を詮索するような行為に、小さな罪悪感を覚える。
同時に、ヨガ教室での頼子さんの言葉が脳裏に蘇る。
『違う違う。愁の評判なんて心配していない。五年前に十分騒がれたんだし、もういい大人なんだから。私が心配しているのは沙和ちゃんよ』