(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
撮影は順調に進み、予定時間を少し過ぎて終了した。
近すぎる距離と触れる指先や伝わる体温に終始緊張していた。
仕上がりを見せてもらうのが違う意味で怖い。
そして撮影から今に至るまで彼はずっと私と指を絡めていた。
「――愁くん?」
撮影スタッフが片付け始めたとき、突如女性の声が響いた。
年齢は私よりも少し年上くらいだろうか。
品のいいサーモンピンクのカシュクールワンピースの裾を揺らし、肩までの緩やかに波打つ焦げ茶色の髪の女性がゆっくり近づいてきた。
手には籐製の小ぶりなクラッチバッグが握られている。
「久しぶりね」
「……千奈、どうしてここに?」
穏やかな声とは裏腹に、女性を見つめ返す愁さんの目は冷ややかだった。
「来週開催予定の新規カフェオープンパーティーの招待状を、館長に届けに来たの。それと、この撮影会の見学に。まさかモデルを務めているとは思わなかったわ」
彼の態度に動揺したのか、女性の口調は少し弱々しい。
「来てくれてありがとう。パーティーって……立花さんがベーカリーショップとコラボレーションしたっていうカフェ?」
「気にしてくれていたの? ありがとう」
女性の表情がパッと華やぐ。
「いや、外食産業の同業者として耳にしただけだ。なぜわざわざ招待状を館長に持ってきたんだ?」
淡々とした彼の返答に明らかに落胆する女性を、私は黙って見つめていた。
近すぎる距離と触れる指先や伝わる体温に終始緊張していた。
仕上がりを見せてもらうのが違う意味で怖い。
そして撮影から今に至るまで彼はずっと私と指を絡めていた。
「――愁くん?」
撮影スタッフが片付け始めたとき、突如女性の声が響いた。
年齢は私よりも少し年上くらいだろうか。
品のいいサーモンピンクのカシュクールワンピースの裾を揺らし、肩までの緩やかに波打つ焦げ茶色の髪の女性がゆっくり近づいてきた。
手には籐製の小ぶりなクラッチバッグが握られている。
「久しぶりね」
「……千奈、どうしてここに?」
穏やかな声とは裏腹に、女性を見つめ返す愁さんの目は冷ややかだった。
「来週開催予定の新規カフェオープンパーティーの招待状を、館長に届けに来たの。それと、この撮影会の見学に。まさかモデルを務めているとは思わなかったわ」
彼の態度に動揺したのか、女性の口調は少し弱々しい。
「来てくれてありがとう。パーティーって……立花さんがベーカリーショップとコラボレーションしたっていうカフェ?」
「気にしてくれていたの? ありがとう」
女性の表情がパッと華やぐ。
「いや、外食産業の同業者として耳にしただけだ。なぜわざわざ招待状を館長に持ってきたんだ?」
淡々とした彼の返答に明らかに落胆する女性を、私は黙って見つめていた。