(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
なんの説明もされなかったことを怒りたい? 


それともわざわざこの色を選んでもらえて嬉しいと伝える? 


でも、もしただの偶然だと言われたら?


……私は、どの答えを望んでいるの?


自分の感情が整理も理解もできずに混乱する。

黙ったままの私を体調が悪いと勘違いしたらしい愁さんから、帰ろうと促された。

誤解をさせて申し訳なかったけれど、このまま平静を装って過ごせる自信はなかったので黙ってうなずいた。

愁さんは退出の挨拶をすでに済ませていたようですぐに会場を後にした。

津田さんの運転する静かな車中で、再び心の葛藤に意識を向けるけれど答えはわからない。

勝手に邪推せずにきちんと愁さんに尋ねるべきだ。

そう考え、自宅マンションのエントランスまで降車して送ってくれた愁さんに、緊張しつつ問いかけた。


「このドレスの色にはなにか意味があるの?」


「どうして?」


質問に質問で返されて、少し焦りながら上手な言い訳を探す。

思考が上手くまとまらず、敬語さえも抜け落ちていく。


「……皆になぜそのドレスを着ているのかと言われたから」


「皆って、誰?」


ほんの少し厳しい表情で問われる。

さすがに辺見さんに直接聞かれたとは答えにくい。
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