【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
少しずつ見え隠れする違和感。シルヴィーはじっと観察するように彼を見る。


「僕は間接的に君のことを魔法を含めて素晴らしいと思う。それに君はマリアにとっても大切な人なんだよ」

「マリア王女殿下が……?」

「君もマリアの力について知っているだろう? 予知によればシルヴィーの力はマリアを救う鍵になるそうだよ」


代々、王女には予知能力が備わって産まれてくる。王太子となる者は国を守る力を。
それも女神からの恩恵だ。
必要とあらば他の兄弟にも能力を持った子どもが王家から産まれる。
だからこそこの国の王政は安定していて圧倒的な支持を得ているのだ。


「十三年前、僕が初めて君のことが気になると言った時、マリアも同じように思った。僕らにとってシルヴィーは特別な存在なんだ」

「……わたしが?」


何度そう聞いても信じられない。自分が誰かの特別だなんてありえないと思ってしまうのは仕方がないことだろう。
 

「それから珍しい魔法に対する差別をなくしたいと考えているんだよ。シルヴィー、君が王太子妃になることで貴族たちに根づいてしまった価値観をひっくり返したい」

「…………!」

「シルヴィーのような思いをする令嬢や令息がいなくなるようにしたいんだ。その一歩は元ラディング侯爵を捕らえたことで順調に進んでいるよ」
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