【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
シルヴィーはアデラールの考えに共感していた。
自分のようにつらいめにあってきた元令嬢たち、母を含めて救えるのならば救いたい、そう思ったからだ。
アデラールとの結婚は苦しんできた人たちを救うことになる……ならば一歩踏み出すべきかと考えてハッとする。

(も、もしかして丸めこまれそうになっていた!?)

だんだんと断る理由がなくなってしまうところが恐ろしい。


「それにホレスが産まれただろう? 力の発現が早く、強かったことを考えると数年のうちに何かが起こるのかもしれない。王家としてもそれを危惧しているんだ」


シルヴィーは真剣な表情をしているアデラールの話を聞いていた。
彼は王太子として大きなものを背負っているのだろう。


「君がホレスを産んでくれたことに父上も母上もこれ以上ないほどに喜んでいる。王家はシルヴィーに感謝していんだよ」

「…………!」


それでもシルヴィーは軽率に頷くことしかできない。
無責任なことはしたくなかったからだ。 


「今は時間が必要だろう? 今日から君たちにはここで暮らしてほしい。足りないものがあったらリサに言ってくれ」


シルヴィーはリサに視線を送った後に、アデラールに許可をもらわなければいけないことを思い出す。


「アデラール殿下、お願いがあるのですが……」

「なんだい? シルヴィーのお願いだったらなんでも叶えてあげたいな。できれば僕から離れること以外だとありがたいんだけど……」

「……ひっ!」
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