【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
アデラールから見えない圧を感じて、シルヴィーは思わず引き攣った声を上げる。
顔が整いすぎていて人間味がないからそう思うのか。
もしかしたらアデラールの執着が透けて見えるからなのかもしれない。


「改めて考えてみると、シルヴィーとこうして話すのをどれだけ楽しみにしていたか。ああ、夢みたいだね。君が僕を見つめているなんて……信じられない」

「……アデラール殿下って変わってますね」


親しげな雰囲気にさすがに言いすぎたかもしれないと心の中で反省していたのだが、彼は何故か嬉しそうにしているではないか。


「変わっているのかな。シルヴィーに何を言われても今は嬉しいよ」


シルヴィーがどう反応していいのかわからずに困惑していると、リサや一緒にいた侍女たちも驚いている。

(変わっていると言われるのが嬉しいなんて……アデラール殿下はやっぱり特殊な性癖があるのかしら)

アデラールはシルヴィーのことを知っているようだが、シルヴィーはまだ彼がどんな人物なのかわかっていない。
知っているのは非の打ち所がない王太子ということくらいだ。
とりあえず話を戻そうと、咳払いしたシルヴィーはリーズの店でやり残した仕事があると伝える。


「リサ、店に話を通してほしい。すべてシルヴィーの望み通りにしてくれ」

「かしこまりました」

「ありがとうございます。アデラール殿下」

「こちらこそありがとう。マリアも母も君が作るものが大好きだから、このことを知ればさらに喜ぶだろうね」
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