【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
一気に不機嫌になったミリアムはさっさと出て行けと視線を送るもまったく動じる様子はない。
まるでこちらを軽蔑するような眼差しを向けてくるではないか。
それはシルヴィーと同じものだ。何もわかっていないとミリアムを見下す目。
ミリアムは怒りから口を開く。


「何よその態度……っ、腹立つから今すぐ出て行きなさい!」

「「「「…………」」」」

「わたくしの前から消えなさいよ!」

「よすんだ、ミリアムッ」

「…………え?」


父に怒鳴るようにして咎められたミリアムは驚いて動きを止めた。
よく見ると父の顔は青ざめている。
逆に侍女や執事たちからは怒りや苛立ちを感じていた。
立場が逆転しているように見えるのは気のせいではないだろう。


「言われなくてもそのつもりですからご安心を」

「……はぁ!?」

「我々は皆、ここをやめるつもりです。シルヴィーお嬢様がいなくなり、もうここに留まる理由はありません」

「シルヴィーお嬢様はきちんと賃金を払ってくださいましたが、旦那様にはそのつもりはないのでしょう?」

「奥様とミリアムお嬢様にはうんざりしております。離れられて幸せです」


生意気な態度にミリアムが執事を殴り飛ばしてやろうかと考えていると、次々と声を上げる使用人たち。


「な、なに……? あなたたち、何を言っているかわかっているの?」

「えぇ、わかっていますとも。むしろ何も理解していないのはミリアムお嬢様の方では?」
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