【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜

先ほど父に言われた理由をやっと理解したのだが、もう手遅れだった。
皆、口を揃えて『シルヴィーがいないのならここにいる意味はない』と、部屋から出て行ってしまった。

(シルヴィー、シルヴィーって、どうしてあの女のことを気にするの!? わたくしのそばから離れようとするなんてなんなのよっ)

これでミリアムたちの面倒を見てくれる人はいなくなってしまった。


「お父様、どうするのよ! 早く新しい使用人を雇いましょうよ」

「金があれば……金、金さえ手に入れば……問題ない! 借金だって……」

「……お父様?」

「大丈夫、私の選択は間違ってない……っ」


父はブツブツと呟きながら、頭を押さえている。

(お父様ったら、何を焦っているのかしら……使用人なんて新しく雇えばいいのに)

今は父に話せる状態じゃなさそうだ。いい報告を待つしかないのだろう。
書斎を出ると廊下に響き渡る母の金切り声。
どうやら使用人たちが出ていくのが気に入らずに、暴言を吐きつつも引き止めようとしているのかもしれない。
『勝手にすればいいわ!』
そう言った母は顔を真っ赤にしてミリアムの元へ。


「お母様、大丈夫よ。すぐに雇えばいいんだから。もうすぐあの女を売った金が手に入るじゃない」

「そうね……ミリアムの言う通りだわ」

「あんな使えない奴らを捨てられてよかったと思わなくちゃ」

「えぇ、そうね。私がどうかしていたわ。目障りな邪魔者はいなくなった。これからはもっともっと幸せになれるわ」
< 132 / 210 >

この作品をシェア

pagetop