【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
ミリアムは満面の笑みで頷いた。
これからはレンログ伯爵家は幸せになっていくと信じて疑わなかった。


──ラディング侯爵が牢に入れられるまでは。


社交界に衝撃が走る。それはラディング侯爵が主催した夜会の会場にアデラールがいたという事実。
彼を摘発に至った経緯は詳しくはわからない。
ラディング侯爵と彼を支持していた貴族たちは一気に失脚することになる。
アデラールは彼らを引きずり出して容赦なく罰していった。

ラディング侯爵が関わっていた家々が次々に明かされていく。
そしてちょうどシルヴィーを売り払おうとしていたレンログ伯爵家も含まれていた。

父はその知らせを聞いて絶望していた。
『金がなければ終わりだ』
何度もそういいながら頭を押さえているではないか。

母と二人でいつもとはまったく違う父の様子に違和感を覚える。
顔を見合わせつつも事情を聞くと、そこで父が隠していた衝撃の事実を聞くことになる。
それはレンログ伯爵家は借金まみれで、今にも没落してしまう寸前だということだ。


「う、嘘でしょう……?」

「これからどうするのよ! わたくしたちはどうなっていくの?」


動揺する母とミリアム。父は青ざめているだけだ。
すべてラディング侯爵にシルヴィーを売った金でどうにかしようとしていたらしい。
だが、ラディング侯爵は牢の中だ。
つまり金は手に入ることはないし、彼と新しく立ち上げようとした事業の話も白紙。
このまま何もしなければ没落して、爵位や領地を国に返上する。もしくはこの座を退いて親戚に渡さなければならない。
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