【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
「シルヴィーを取り戻さねば! 今度こそ王家にシルヴィーを差し出せばいい、そうすれば金くらい工面してくれるはずだ。今なら間に合う。ずっと探していたんだ。喜ぶはずだろう!?」

「お、王家!? なんで王家なの? お父様、それってアデラール殿下のことじゃ……っ」

「多少悪事がバレたところで、シルヴィーさえいればどうにかなる。むしろいい方向にいくはずだっ」


ミリアムは納得できなかった。
目障りなシルヴィーを追いだすことができたのに、アデラールの婚約者に押し上げようとするのか。

(どうしてあの女が出てくるのよ! 今さらアデラール殿下に選ばれるわけないでしょう!?)  

しかし父はミリアムの言うことにまったく耳を傾けてはくれない。
それに金がなければ人も雇えないということだ。


「どうして!? このままじゃ生活できないわ!」

「そうよ、まずは親戚を回ってお金を工面してもらいましょう!」


惨めな生活を送ることだけは絶対に避けなければならない。
ミリアムと母は己の保身のために必死だった。


「……そ、それは無理だ」

「え……?」

「親戚にも金を借りているんだ。これ以上は……っ」


父は苦虫を噛み潰したような表情をしている。
ミリアムと母が知らない本当の現実。今まで見ようとしなかった真実が一気に襲いかかってくる。
もしかしたら使用人たちとシルヴィーはこのことを知っていたのかもしれない。
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