【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
「今は名誉とレンログ伯爵家を守るのが先だっ!」

「な、何を言っているの?」

「嫌ならドレスや宝石を売り払え! お前たちは何もしていないくせにうるさいんだよっ! いい加減にしろっ」


初めて父に怒鳴られたミリアムは大きく肩を揺らす。
それほど追い詰められているということだろう。

そして肝心のシルヴィーは夜会の会場から姿を消して戻ってこなかった。
言い訳もできず、社交界や身内からも爪弾き状態。
母は元娼婦のため、身内に頼ることもできない。

こんな状態のレンログ伯爵家で働きたいという人が見つかるわけはない。
父はなんとか罰を逃れようとしていたのだが、騎士たちや調査員によって暴かれていく父のあまりにもずさんな領地経営が明るみになる。
すべて執事とシルヴィーに任せきりで本人は事業の立ち上げで忙しいといいながら女遊びや娼館通いが発覚。

母は父への腹いせか屋敷のものを端から壊していた。
それを片付ける者はいないため、家は荒れ放題。
料理もできないため、ドレスやアクセサリーを売り払いそのお金でそのまま食べられるパンやチーズ、果実を食べる日々。
ローブを被っていても、誰なのかがバレてしまう。

シルヴィーがいなくなったことで、父が金を領民たちから搾り取ろうとしたらしい。
無理な税収を要求したせいか父も母もミリアムも爪弾き状態で買い物にすら行けなくなってしまう。
刃物や農具を持った過激な領民に追いかけられることもあったが、護衛も雇えない。
どんどんと追い詰められていく感覚にミリアムは絶望していた。

(これからどうしていけばいいのよ……!)
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