【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
シルヴィーは今、天国にいるような生活を送っている。

アデラールの言葉通り、母とシルヴィーとホレスは王家から大歓迎されていた。

今は主にレースを編んだり、アデラールの相手をしている。
用意しなくても食事が出てくる毎日を噛み締めていた。

先日は母と共にレルナード公爵に挨拶に行ったのだが、彼は一見、冷たいように見えたがただ自身の研究や実験にしか興味がないようだ。
見た目も熊のように大きく、髪や髭は伸びっぱなし。
かなりの威圧感があったが、母とシルヴィーはまったく動じることはなかったことにレルナード公爵は驚いていた。

母はこのまま洋装店の裏方で働くわけにもいかず、かといって王城にいるわけにもいかず、アデラールの根回しによりレオナール公爵邸でお世話になっていた。
今は草木をまとめたり、網を大量に作り植物を乾燥させたりと、レルナード公爵を手伝いながら忙しい日々を過ごしているそうだ。
人をあまり寄せつけないレルナード公爵だが、不器用で口下手なだけでとても優しいらしい。
また二人で王城にホレスとシルヴィーに会いにいくと言っているため、仲は悪くないのだろう。
国王も「彼奴を屋敷から出すとは……!」と、心底驚いていた。

(もしレルナード公爵がお母様と結婚したら本当の娘に……って、そんなわけないわよね)

王太子としてホレスだけ向かえ入れるのならまだわかるのだが、シルヴィーにも母にも温かい対応をしてくれている。

(今までの生活が嘘みたい……幸せすぎて怖いくらいだわ)
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