【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
それに義母は特にシルヴィーを外に出すことを嫌った。
お茶会やパーティーに出ることはもってのほかだ。
代わりにミリアムを社交界に積極的に参加させていた。
しかしミリアムはいつも不機嫌そうに帰ってくる。そんな姿を見て、うまくいってはいないのだと思った。
恐らくレンログ伯爵家の評判は地に落ちているに違いない。
それなのに危機感はないのだろう。
ミリアムは見目のいい令息に媚びを売るのに一生懸命だそう。そんな姿が父と被る。
(こんな場所にも地位にも執着する必要なんてないわ)
それはシルヴィーでなくてもわかること。
恐らく父の代で歴史あるレンログ伯爵家は終わりを迎える。
父は現実を受け入れられていない。逃げるようにして、父は女と酒に溺れていった。
母の病はすっかりよくなり、いつシルヴィーが来てもいいようにとガツガツと仕事をこなし待っていてくれている。
いつここから追い出されてもいい……そう思っていたのに、あっという間に八年経とうとしていた。
いつでも逃げ出せたはずなのに何故それができなかったのか。
それはシルヴィー執事や屋敷の人たち、シルヴィーによくしてくれる領民たちが困り果てているのを見ていて放ってはおけなかったからだ。