【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
(幸せすぎて断る理由がないわ……わたしは結婚なんて絶対にしないと思っていたけれど)

こんな自分と向き合おうとしてくれている。
そんなまっすぐな想いがきちんと伝わるからこそ、シルヴィーも徐々に受け入れられたのかもしれない。 

(本当の家族ってこんな感じなのかしら……)

とはいえ、王妃教育がどれほど大変なのかもシルヴィーは知識として知っていた。
そもそも貴族としての教育もろくに受けていないため心配が勝る。
考えている間に、顔に出てしまっていたようだ。王妃は困ったように笑っていた。


「不安よね。わたくしも最初はそうだったわ」

「王妃陛下もですか……?」


王妃は口元を抑えながら微笑んでいる。


「大丈夫よ。あなたはとても強いわ。大切なものを守り、劣悪な環境から抜け出して、ここまでホレスを育てた。それにこんなに素敵なレースを作り出すことができるもの!」

「王妃陛下……」

「アデラールの言う通りね。この国は素敵な才能を持つ人たちを排除しようとしていた。もっと早く動けたらよかったけど、アデラールのおかげで今、大きく国は動いているわ」

「…………はい」

「力の大きさではなく、国や領民への貢献度で爵位を決めるそうよ。今度の議会で話し合われるの」


彼女はシルヴィーの手を包み込むように握る。
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