【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
「それにね、王国を救わなければという重圧ははかりしれないと思うの。だからわたくしたちで支えていきましょう」
「……はい!」
シルヴィーは覚悟を決めて頷いた。ホレスには今からさまざまな責任や重圧がかかるのだろう。
(それを支えてきた王妃陛下はすごいわ。いずれホレスも……)
ホレスのためならばシルヴィーもどんなことだってがんばれる気がした。
(王妃教育だって乗り越えてみせるわ)
急な環境の変化で弱気になりつつあったのはシルヴィーの方だったのかもしれない。
「戸惑うことばかりだと思うわ。焦りもプレッシャーもあると思うけれど、わたくしたちはシルヴィーの味方よ」
「ありがとうございます。ホレスのためにもがんばります」
優しい笑顔に胸が温かくなる。
王太子として輝かしい未来を歩むホレスのためにも、自分もがんばろうと思っていた。
そのためにもリーズの店にレースを届けて、今までのお礼を言わなければならない。
それと共に彼女たちと話ができればと思っていた。
「あの……このレースはわたしがお店に直接届けてもよろしいでしょうか。まだお世話になったお礼をしていなくて……」
「そうね。ホレスのこともちゃんと報告しないと。あっ、そうだわ! わたくしもシルヴィーと一緒に行ってもいいかしら?」
「は、はい……もちろんです」
「シルヴィーのためにドレスをたくさん仕立てたいと思っていたのよ! もちろんそのドレスも似合っていて素敵だけど、これからもっと必要になるでしょう?」