【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜

王妃は満面の笑みを浮かべて手を合わせている。
店が大混乱になるだろうと考えていると……。


「シルヴィー、街に行くなら僕が一緒に行くよ」

「アデラール殿下っ!?」


突然、アデラールが話に入ってきたことに驚きを隠せない。


「あらあら、アデラール。どこから話を聞いていたのかしら」

「二人の会話を邪魔したくなかったんだ」

「まぁ…… そろそろ怒ってもいいかしらね」


アデラールは王妃に注意されたことで困ったように笑っている。
彼が乱入してくるのは今回だけではない。毎回だ。


「今回はたまたまですよ」

「次やったら許しませんよ。シルヴィーに嫌われてもいいの!?」

「それは困りますねぇ……僕はシルヴィーのことを一番に考えているだけなんですが」

「シルヴィーを一番に考えるのは当たり前です。あなたがやり過ぎだと言っているのよ!」

「母上は手厳しいね。それにシルヴィーに少しでも僕のことを好きになってもらわないと」

「……え?」

「母上と父上のような関係に憧れているから、二人みたいに仲良くなれるように彼女と一緒に買い物できたらと思ったんだけど……だめかな?」

「まぁ……!」
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