【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
「今度のお披露目パーティーにオーダーが間に合わないのが残念だね」


アデラールとホレスも合流すると、ホレスは「ははうえ、おひめさまみたい!」と嬉しそうにしている。
ホレスとリーズが遊んでおりドレスなどを包んでいる間、シルヴィーはこっそりとアデラールに耳打ちする。


「アデラール殿下、どういうことですか!? どうしてこんな美談に?」

「言い方は違うけれど概ね事実でしょう?」

「えっと…………はい」


すべて嘘というわけでもないし、すべて真実かというと微妙に違う。
爽やかに笑っているアデラールには敵わないと悟ったシルヴィーはそっと口を閉じた。
こうなれば誰も傷つくことはなく、アデラールの体裁も保てる。
どうやらこの話はここから街全体に、王都へと広がりつつあるようだ。
アデラールの完璧な根回しに驚きつつも、丸め込まれているような気がしていた。
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