【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
アデラールには今、二十歳になるにもかかわらず婚約者がいない。
シュマイディト国王もそのことだけを気にかけて心配しているそうだ。
その理由はわからないが、彼と歳が近い令嬢たちはアデラールの婚約者の座を狙っている。もちろんそれはミリアムも同じ。
しかしミリアムがアデラールに見染められる前にレンログ伯爵家は没落するに違いない。
義母やミリアムは危機感がまるでなかった。

本来ならば長子であるシルヴィーがレンログ伯爵家を継ぐのだが、王太子の婚約者になることができなければ二人は当然のようにレンログ伯爵を継ごうとするだろう。
それでもいいとシルヴィーは思っていた。むしろそうしてくれないと困る。
  
そしてシルヴィーの思った通り、ミリアムが十八歳の誕生日を迎えてもアデラールの婚約者になれないことを理解したのか、義母はミリアムにレンログ伯爵家を継がせようと動き始めた。
それには内心ガッツポーズである。

一つ懸念点があるとするならば、義母と父はシルヴィーを金にするために動く可能性がある。
ミリアムが伯爵家が継ぐなら、間違いなく金持ちに売られるようにして嫁がされてしまうということだ。

(絶対にあなたたちの思い通りにはさせないわ……!)

利用されるのを待つなんて性に合わない。
どうせなら彼らに少しでも後悔させてやろうとシルヴィーは着々と準備を進めていたつもりだったが、予想もしなかったことが起こる。

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